独立問題のカタルーニャからサプライヤー来日、予定通り商談会

スペイン政府観光局はこのほど、カタルーニャ州観光局およびバルセロナ観光局と共同で、旅行会社向けのセミナーとワークショップを開催した。スペインではここ数ヶ月間でカタルーニャ州の独立運動が活発化し、中央政府と独立賛成派が対立。州首相が解任されて、来月には州議会選挙が実施されるなど不安定な状況が続いているが、予定通りに実施された。現地からは参加を予定していた14社・団体のサプライヤーのほとんどが参加。日本の旅行業界からの参加者も60名を超えて盛況となった。

ミロー氏  セミナーでは冒頭で、バルセロナ観光局マーケティング&プロモーション・ディレクターのガブリエラ・リビエッチオ氏が挨拶し、「カタルーニャの州都のバルセロナは、文化やグルメなどの多様性に秀でた街」とアピール。カタルーニャ州観光局アジア太平洋地区ディレクターのダビド・ミロー氏は「各サプライヤーが持ち寄った最新情報を、商品開発に活用してほしい」と呼びかけた。ともに8月にバルセロナで発生した車両突入テロ事件や、独立運動については言及せず、観光への影響が少ないことを印象づけた。

 本誌のインタビューに応えたバルセロナ観光局のリビエッチオ氏は、8月のテロ事件については「今日ではどこでも起こりうること。バルセロナも発生直後には観光にも影響が出たが、数日で収束した」と述べ、「バルセロナが一大観光都市であることに変更はない」と強調。独立を巡る一連の動きについては「あくまでも政治レベルの話であり、観光客に影響はない」と語り、観光客が危険にされられる状況にはないことをアピールした。カタルーニャでは10月の住民投票の際に警官隊と住民が衝突して負傷者が出たが、その後は治安の面では落ち着いた状態にある。

カステルトルツ氏  スペイン政府観光局日本局長を務めるバルセロナ出身のマジ・カステルトルツ氏は本誌に対し、8月のテロ事件の直後は日本でもパッケージツアーに多少のキャンセルが出たが、短期間で回復したことを説明。年内の予約動向については、独立問題の影響が垣間見えるものの「カタルーニャが平穏であることをアピールし続ければ、年明けには回復が見込めると思う」との観測を示した。そのほかには外務省が「海外安全ホームページ」で発出したスポット情報について言及し、「外務省の情報提供は的確だった。旅行者が安心してカタルーニャを訪れることができて感謝している」とも語った。

商談会の様子  スペイン政府観光局によれば、日本からスペインへの旅行者数は、2015年には前年比26.6%増の60万1000人を記録。16年も21.3%減ながら47万4000人が訪れている。今年の1月から7月までの宿泊数の累計は1.7%増の66万5116泊。なお、現時点で正確な数値は得られていないものの、テロ発生直後の9月については、前年の宿泊数を上回っているという。

▽ルフトハンザ、ドイツ経由をアピール、チューリッヒも

稲葉氏  そのほかには、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)とスイスインターナショナルエアラインズ(LX)の東京営業支店アカウントマネージャーを務める稲葉泰樹氏がプレゼンテーションをおこない、デイリーで運航しているLHの羽田/フランクフルト、ミュンヘン線とLXの成田/チューリッヒ線を乗り継いでバルセロナ入りするルートをアピール。曜日を問わず、東京から16時間程度でバルセロナ入りできる優位性を強調した。昨年にイベリア航空(IB)が開設した成田/マドリード線は週3便で運航中。来年10月には週5便に増便する。

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JTB、9月の海外旅行は2.0%増、企画商品が好調

 ジェイティービー(JTB)グループ25社(※)の9月の旅行取扱概況で、海外旅行の取扱額は前年比2.0%増の540億3200万円となった。団体旅行は5.8%減、企画商品は6.0%増、FITは2.4%減だった。同社グループは3月分までは20社による集計結果を発表していたが、来年4月の組織再編を見据えて、4月分からはJTBワールドバケーションズなどを含む25社による集計に変更。グループ内取引を相殺した上で発表している。

 団体旅行のうち、一般団体は「組織」が7.5%増、「提携販売」が0.2%増となったが、「企業」は18.6%減と前年を下回った。教育団体は6.6%増だった。

 企画商品は「ルックJTB・JTBお買得旅」が3.7%増、メディア企画商品が6.6%減だった。「ルックJTB・JTBお買得旅」の取扱人員は15.7%増で、方面別では台湾が72.5%増、ハワイが19.4%増、オセアニアが15.4%増などとなった。

 海外旅行全体の取扱人員は1.1%増で、方面別では台湾が22.6%増、香港が19.8%増、欧州・ロシアが12.3%増となった。9月の日本人出国者のうち、JTBグループの取扱シェアは0.6ポイント減の17.9%だった。

 海外旅行以外の取扱額は、国内旅行が1.1%減の852億8600万円、国際旅行が1.4%増の69億6000万円、その他を含む合計は0.1%増の1462億7800万円だった。国内・国際旅行の詳細は別途記載(下記関連記事)。

※JTBグループ25社:JTB北海道、JTB東北、JTB関東、JTB首都圏、JTBコーポレートセールス、JTB中部、JTB東海、JTB西日本、JTB関西、JTB中国四国、JTB九州、i.JTB、JTBグローバルマーケティング&トラベル、JTBビジネストラベルソリューションズ、JTB沖縄、PTS、JTBグランドツアー&サービス、JTBメディアリテーリング、朝日旅行、JTB京阪トラベル、ジェイティービー、JTB国内旅行企画、JTBワールドバケーションズ、エイ・ビー・アイ、トラベルプラザインターナショナル(太字の5社を新たに追加)

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スイス、スキー場への「バー列車」など紹介、FITに訴求

スイス政府観光局はこのほど、スイス大使館公邸で旅行会社やメディア向けのセミナーを開催した。冒頭で登壇した、日本支局長のファビアン・クレール氏は「スイス観光は夏のイメージが強いが、ここ3年間は冬の魅力を訴求し、スイスのブランドを拡大している」と説明。その上で「今年の冬はスイスでの特別な体験を訴求したい」と述べ、スキーやハイキングなどに加えて、スキー場間を移動する「パノラマ・カフェ・バー列車」など、新たな観光資源をアピールした。

 同局メディアマネージャーの押尾雅代氏によると、「パノラマ・カフェ・バー列車」は今年の冬からアンデルマット/ディゼンティス間で運行を開始。アルコール類を楽しみながら、天井や側面の大窓から冬景色を楽しむ事ができるという。押尾氏はそのほか、冬のハイキング、標高2000メートルでの屋外コンサート、移動中のゴンドラ内で楽しむチーズフォンデュなど、さまざまな素材を紹介。本誌の取材に対しては、増加傾向にある日本人のFITにアピールしたい考えを示した。

セミナーではラッピングバスをお披露目  FITについてはクレール氏も「スイスの魅力を直接アピールする必要がある」と語り、同局では初めて冬をテーマにBtoCキャンペーンを実施することを説明。スイスインターナショナルエアラインズ(LX)と共同で実施するもので、11月26日まで都内や横浜で小型のラッピングバスを運行し、バスを撮影してInstagramまたはTwitterに投稿した応募者のなかから抽選で1組2名に、日本/スイス間のエコノミークラス航空券とスイストラベルパスを贈呈する。

 同局によれば、17年1月から9月までの日本人宿泊数は前年比11.9%増の35万2454泊。クレール氏は「17年はテロの影響から回復基調にあるが、15年の39万5000泊レベルにまでは回復はしていない」と語り、今後はゆっくりと回復を続けて19年頃には15年レベルまで戻るとの見方を示した。

 クレール氏はそのほか、このほど実施した日本支局の大使館への移転について説明。数年前から全世界でスイス政府観光局の支局オフィスを大使館に統合する動きがあり、今回もその一環である旨を強調した。「移転により大使館の文化部や経済部などとこれまで以上に協力し、イベントなどをおこなっていく」との考えで、来年には絵画の展覧会などについて協力してプロモーションを実施するという。

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