成田、16年度は「爆買い」沈静化で減収、17年度は増収増益へ

 成田国際空港(NAA)の2017年3月期(16年4月1日~17年3月31日)の連結業績で、営業収益は前年比0.5%減の2174億3700万円、営業利益は4.3%減の414億5600万円、経常利益は3.3%減の372億9800万円、当期純利益は4.5%増の253億5400万円だった。営業収益は5期ぶりの減収。営業利益、経常利益は中国人旅客の空港内店舗での購買額が減少したことなどが影響した。純利益は法人税等調整額の減少などにより、民営化以降で過去最高を記録した。

 事業別では、航空運営事業は営業収益が1.4%増の1052億6400万円、営業利益が11.4%減の43億4400万円だった。NAAによると、営業収益は航空機材の小型化による平均着陸重量の減少などで空港使用料収入が減少したものの、国際線外国人旅客数の増加で旅客施設使用料収入は増加。営業利益は退職給付費用の増加などにより減少した。

 リテール事業は営業収益が3.1%減の788億5600万円、営業利益が8.7%減の223億7000万円となった。営業収益はいわゆる中国人旅行者の「爆買い」が沈静化し、子会社の物販・飲食収入、一般テナントからの営業料収入が減少。下期の新規店舗の開業や販売促進施策などで減収分を補おうとしたが、結果として前年を下回った。

 5月12日に開催した決算発表会見で、NAA代表取締役社長の夏目誠氏は、リテール事業の減少により非航空収入のシェアが昨年比1ポイント減の54%に低下したことを説明。17年度については、さらなる新規店舗の開業も予定していることから1ポイント増の56%を見込んでいるという。

 施設付帯事業は営業収益が0.1%減の303億3400万円、営業利益が4.0%増の141億8300万円。鉄道事業は営業収益が1.6%増の29億8200万円、営業利益が2.9%増の6億3200万円となった。

 航空取扱量は、航空機の総発着回数、国際線・国内線の発着回数、航空旅客数、国際線外国人旅客数、国内線旅客数で開港以来過去最高を記録した。このうち航空機の総発着回数は4.5%増の24万6000回で、5期連続で最高値を更新。国際線の発着回数は韓国、香港、中国を中心にしたアジア路線の新規就航や増便により、5.3%増の19万3000回、国内線もLCCの新規就航や増便などで1.4%増の5万2000回となった。

 航空旅客数は国際線の外国人旅客や国内線旅客が好調に推移し、4.4%増の3962万人と2期連続で過去最高となった。国際線は4.4%増の3241万人で、このうち日本人旅客数は2.9%増の1349万人、外国人旅客数は10.8%増の1430万人、通過客は8.4%減の462万人。国内線は4.7%増の721万人だった。

▽17年度は営業収入、純利益で過去最高を予想

 17年度の連結業績は、営業収益は4.5%増の2273億円、営業利益は7.1%減の385億円、経常利益は7.2%減の346億円、当期純利益は16.0%増の294億円を予想する。営業収益はリテール事業の増収により16年度を上回るが、営業利益は空港運営事業の減益により16年度を下回る見通し。

 事業別では、空港運営事業は営業収益が0.8%減の1044億円、営業利益が79.3%減の9億円を予想する。営業収益は航空機材の小型化に伴う空港施設使用料などで微減。営業利益は空港施設の修繕や機能強化に関する環境影響調査などの費用増により、大幅に減少する見通しだ。

 リテール事業は営業収益が14.5%増の903億円、営業利益は8.2%増の242億円。国際線外国人旅行者数が堅調に推移する見通しであることに加え、昨年度にリニューアルした「ナリタ5番街」などの通年化や、新規店舗の開業により増収増益を見込む。

 航空取扱量は、航空機発着回数は4.1%増の25万6000回を予想。このうち国際線は3.1%増の19万9000回で3期連続、国内線は8.0%増の5万6000回で16期連続で増加する見通しだ。航空旅客数は2.5%増の4060万人で、国内線は1.2%増の3279万人、国内線は8.3%増の781万人を見込む。

 夏目氏はそのほか、2017年度の税制改正により入国エリアに免税店が出店できるようになったことを説明。「出国エリアとは勝手が異なるため運営方法の検討に時間がかかるが、秋頃を目処に最初の店舗を開業したい」と意欲を語った。

 計画では、第1旅客ターミナルの北・南ウイングに各1店舗、第2旅客ターミナルの本館北・南に各1店舗、第3旅客ターミナルに1店舗の計5店舗の開業を予定する。取扱商品については、「出国エリアで人気のタバコやアルコール類が中心になるのでは」との考えを示した。

情報提供:トラベルビジョン