カンボジア、20年に日本人35万人へ-全日空、羽田線開設に意欲

カンボジア王国観光大臣のトン・コン氏  

 カンボジア王国観光省と駐日カンボジア王国大使館はこのほど、「カンボジア観光ロードショー」を開催した。来日した同国観光大臣のトン・コン氏は、冒頭の挨拶で「昨年9月に全日空(NH)が成田/プノンペン線を開設し、両国の人的交流が強化された」と喜びを述べるとともに、「2020年には世界から700万人、日本からは35万人がカンボジアを訪れることを期待したい」と話した。16年にカンボジアを訪問した日本人旅行者数は前年比0.9%増の19万3330人。17年は23万人をめざし、プロモーションを強化する方針だ。

 同氏は文化遺産やショッピングモールなど、日本人旅行者が好む観光素材の開発を強化する考えを説明。4ツ星以上のホテルやレストランなどの増加も積極的に働きかけるほか、道路や港、空港などのインフラの整備を実施するという。加えて、詳細は明かさなかったが「高級、高品質なデスティネーションとしての開発をおこなう」とコメント。旅行会社やランドオペレーターとの協力体制の強化もめざす。

 さらに、トン氏は本誌の取材に応え、「日本人はアンコールワットが好きだが、プノンペンも観光に最適」と強調し、訪問先の多様化をはかる考えを語った。同局の日本事務所を担当するオーバーシーズネットワークによると、今年はアンコールワット観光の拠点となるシェムリアップに加え、直行便のあるプノンペン、リゾート地のシアヌークビルや周辺の島々など、「シェムリアップ以外も観光地として旅行会社の皆様と販売を促進していきたい」考え。研修ツアーも実施する計画だ。

カンボジア王国観光省副長官のソ・ヴィソティー氏  

なお、日本事務所は昨年8月からグリーントラベルが担当していたが、同社は今年の6月で会社を精算するため、オーバーシーズネットワークが5月から業務を引き継いでいるという。

 このほか、ロードショーではカンボジア王国観光省副長官のソ・ヴィソティー氏がプレゼンテーションを実施し、観光地やイベント、入国に必要なビザの取得方法などについて説明した。同氏は本誌の取材に応え、日本旅行業協会(JATA)をはじめ旅行会社から、入国に必要なビザを廃止するよう要望されていることに触れ、「廃止を前向きに検討している」と話した。

▽全日空、カンボジア線の増加に意欲、LCC活用も

NHプノンペン支店長の山崎氏  

ロードショーではNHプノンペン支店長の山崎格正氏が登壇し、成田線の現状を説明。「就航当初は苦戦したが、11月以降は大幅に旅客数が増えた」と語った。ロードファクターは平均7割で、乗客の8割は観光客が中心の日本発という。同氏は本誌の取材に応え、「まずは成田/プノンペン線の黒字化をめざし、その後羽田/プノンペン線を就航したい」と意欲を述べた。

 羽田線は「日本とカンボジアの航空協定による」が、羽田空港の発着枠の増加に合わせて開設したい考え。羽田線開設後も成田線の運航は継続する。NHは成田を欧米/アジア間のハブ、羽田を内際のハブと位置づける「首都圏デュアルハブ戦略」を展開しているところ。成田線/プノンペン線は成田発が10時50分と「日本人向けのスケジュール」だが、羽田線開設後はスケジュールを変更して米国線との接続利便性を高め、米国発着の需要の取り込みをめざす。

 さらに、同氏は2020年までに、首都圏2空港からシェムリアップへの就航に意欲を示した。バニラエア(JW)やピーチ・アビエーション(MM)での運航を検討しているという。

 日本/カンボジア間は、NHが協業を強化しているベトナム航空(VN)とカンボジア政府の合弁会社であるカンボジア・アンコール航空(K6)が、ゴールデンウィーク期間中に成田/シェムリアップ間でチャーター便を運航し、日本に初就航したところ。山崎氏は「VNとK6と協力し、3社で市場を盛り上げていきたい」と話した。

 K6の日本総代理店(GSA)を務めるサザンブリーズ・ジャパンによれば、チャーター便の用機者はジェイティービー(JTB)で、日本人旅行者向けのもの。全174席のエアバスA321型機で往復1便を運航し、169名が参加した。K6は今後もチャーター便を計画しており、例えば8月やシルバーウィークに、成田や関空からシェムリアップへのチャーターを検討しているという。

情報提供:トラベルビジョン