日本航空、メルボルン線は業務渡航などに期待-コナ線も勝算

日本航空、メルボルン線は業務渡航などに期待-コナ線も勝算

日本航空(JL)路線統括本部路線計画部で国際路線計画グループマネージャーを務める牧野圭亮氏は、このほど本誌の取材に応え、9月から1日1便で運航する成田/メルボルン、コナ線の戦略について語った。1日からのメルボルン線については、観光に加えてビジネス需要の取り込みにも注力する考え。「シドニーに次いでビジネス客を確実に取れる就航地」としてメルボルンを選んだことを説明した。

 日本とオーストラリアは2015年に日豪経済連携協定(EPA)を発効しており、メルボルンには多くの日本企業が進出しているところ。「経済界からも日本の航空会社に就航してもらいたいという要望があった」と、牧野氏は背景について説明した。また「オーストラリアからの訪日需要は強く、メルボルン線を支えてくれる」とも語り、レジャー・ビジネスともに年間を通して安定した需要が見込めるとの見方を示した。需要の割合については日本発とオーストラリア発が半々となる見通し。

 同路線については現在、カンタス航空(QF)が1日1便で運航中。牧野氏は、QF便の成田の発着時間が夜であるのに対し、JL便は午前中となることなどを説明した上で、「JLとQFで1日2便を運航することになるが、収益を確保できると見ている」と語った。「JAL SKY SUITE」を搭載した、ビジネスクラス38席、プレミアムエコノミークラス35席、エコノミークラス88席のボーイングB787-8型機を投入し、サービスの差別化もめざすという。

 JLとQFは同じワンワールドのメンバーで、2社はQFが運航するシンガポール/メルボルン線などでコードシェアを実施しているが、日本路線では実施していない状態。牧野氏は「QFとは今後どのように協力していくかを検討していきたい」と語り、共同事業の可能性については「日豪間におけるQFのシェアが大きいためハードルが高く、当分はない」と話した。ちなみにJLはジェットスター航空(JQ)とは、JQが運航する成田/ゴールドコースト線などでコードシェアを実施している。

 なお、日本を含むアジア/豪州線については、昨年からクイーンズランド州政府観光局が、路線誘致のための専用予算として約30億円を投資しているところ。牧野氏は今後の豪州線の展開について「市場の伸び率の高さや国土の広さなどから、(他地域にも)直行便を飛ばすメリットはある」との見方を示すとともに、「収益性の確保が判断のポイントと考えており、今後の需要の伸びを見ていきたい」と語った。

▽コナ線はFITの取込強化、「ハワイの新たな価値」を提供

牧野氏  9月15日から約7年ぶりに運航を再開するコナ線については、運休して以来、日本・ハワイともに再開を要望する声が強く、長きに渡り再開を検討してきたことを説明。牧野氏は「FITが増えて旅行者のニーズが多様化するなか、ホノルル以外の地点に就航することで、お客様にハワイの新たな価値を提供していきたい」と意気込みを示した。ターゲットは日本人のなかでも「ホノルルに慣れ親しんだお客様」で、ホノルルとコナの組み合わせに加えて「コナのみに滞在する新たなお客様も取り込みたい」とした。

 日本/コナ間については、昨年12月にハワイアン航空(HA)が週3便で羽田/コナ線の運航を開始したところ。牧野氏は「収益性は十分見込める。勝算があると考えている」と語り、旅行商品を造成しやすいよう1日1便で運航する点を強調した。また、フルフラットシートを搭載した「JAL SKY SUITE」のビジネスクラス24席、シートピッチを拡大した「JAL SKY WIDER」のエコノミークラス175席によるB767-300ER型機を使用する点もアピールした。

 19年春に首都圏とホノルルを結ぶ路線にエアバスA380型機を導入する予定の全日空(NH)との競争については、NHが羽田と成田からのみホノルル線を運航しているのに対して、JLは成田、羽田、中部、関空の4空港から運航していること、ホノルル線とコナ線の2路線を運航することをアピールしていく考えを示した。

 今後はハワイ州観光局(HTJ)と協力し、コナ線の認知度の向上と販売促進に努める考え。なお、HTJはJLの就航については「隣島のプロモーションを実施しているなかで、非常に嬉しく思う」とコメントするとともに、「オアフ島には興味がないがハワイ島には行きたい、というお客様もいらっしゃるはず」として、新規需要の開拓に期待を示している。