ピーチとバニラ、19年度末までに統合へ、存続会社はMM

 ANAホールディングス(ANAHD)は2019年度末を目処に、傘下のピーチ・アビエーション(MM)とバニラ・エア(JW)を統合する。18年度下期から統合に向けたプロセスを開始。MMを存続会社として統合し、ブランドはMMに一本化する。機材運用の効率化やコスト削減、国内の新規需要の開拓、訪日需要の獲得に2社のリソースをあわせて取り組み、国内外のLCCに対抗する考え。

 20年以降は50機以上で国内外に50路線以上を運航する見込みで、同年を目途に中距離国際線にも進出する。20年度の目標として売上高1500億円、営業利益150億円規模を掲げる。

片野坂氏  3月22日の記者会見で、ANAHD代表取締役社長の片野坂真哉氏は「統合については以前から考えていたが、昨年2月にMMを子会社化した頃から思いが強くなった」と振り返り、昨秋には2社に統合の話を持ちかけたことを説明。LCC競争が激化し、海外のLCCが積極的に日本に就航していることに刺激を受けた結果、「2社ともに業績が堅調で、訪日外国人の潮流が強く、地方創生の機運が盛り上がっている今がベストタイミングだと判断した」と話した。

 MMを存続会社とした理由については「2社の経営の安定性、海外での知名度など」を比較した旨を説明。MMは国際14路線・国内15路線を、JWは国際7路線・国内6路線を運航しており、MMの方が路線数や拠点数が多いこと、MMは成田と羽田の首都圏2空港から運航していることなども理由として挙げた。

▽片野坂氏「MMの独自性は尊重」

井上氏  MM代表取締役CEOの井上慎一氏は「新規市場である中距離領域に進出し、アジアのリーディングLCCをめざす」と宣言。中距離路線については「事業性の担保に軸足を置いて検討したい」と説明した。なお、当初は25年を目処にMM単体で就航することを検討していたが「(LCCの競争激化で)それでは間に合わない状況になった」ため、統合により就航時期が前倒しされることについては喜びを示した。

 2社ともに運航している路線は成田/関空線、台北(桃園)/関空、那覇線の3路線のみ。井上氏は統合時の路線展開については「お客様の利便性やLCCの生命線である機材運用の効率を考えたい」と語った。JWが加盟しているバリューアライアンスの加盟については、今後検討を進める考え。

 井上氏はそのほか「JWが統合されることで、MMのダイバーシティがさらに活性化し、独自性がさらに磨かれることを期待したい」と語った。本社は引き続き大阪に構えるが「首都圏での展開を考えると、採用など本社機能の一部を成田に移転する可能性もある」という。

五島氏  会見ではJW代表取締役社長の五島勝也氏も「LCC事業の成長のためには互いの強みを活かし、スケールメリットで競争力を高めて効率的に事業を運営することが必要」と説明。17年度は15年度に続き黒字化する見通しを伝え、「業績が回復基調にあるこのタイミングで結集するのが最善」と話した。

 なお、ANAHDはこの日、ファーストイースタンアビエーションホールディングスからMMの株式の10.9%を113億円で取得することも発表。片野坂氏は今回の統合とは無関係であることを説明した上で「統合後のMMの経営の独自性を尊重する」と強調した。取得時期は4月を予定する。

情報提供:Travel Vision