星野リゾート、海外に新たな「星のや」出店へ、国内も

星野リゾートは4月11日、都内で記者会見を開き、同社代表の星野佳路氏は国内外で6軒を展開している「星のや」について「新たに国内1軒・海外2軒程度のプロジェクトに入ろうとしている」と説明した。詳細は今秋の記者会見で発表する予定だが、海外についてはリゾート地で開業する考え。星野氏は「将来的にグローバル企業になるために、国内が好調な時に海外に勇気を持って出ていきたい」と意欲を示した。

 6軒の「星のや」のうち、海外で出店しているのは昨年1月に開業した「星のやバリ」のみ。同社はそのほか、フランス領ポリネシアのランギロア環礁でリゾートホテル「Kia Ora ランギロア」を運営している。

「星野リゾート 界 仙石原」の客室のイメージ  国内については7月27日に、箱根の仙石原温泉で「星野リゾート 界 仙石原」を開業することも発表。周辺に美術館などが多いことから、コンセプトに「アトリエ×温泉旅館」を掲げていることを伝えた。客室13室はすべて露天風呂付きで、11月頃には別館の3室を追加。宿泊者向けのアクティビティは、手ぬぐいの絵付け体験などを提供する。7月10日から20日までは開業に先立ち国内外の芸術家12名が滞在し、創作活動をおこなうイベント「アーティスト・イン・レジデンス箱根」を開催し、作品は施設内に展示する。

 そのほか山口県長門市から受託した、長門湯本温泉の再生計画については、社会実験を開始するなど計画を進めていることを報告。今年1月に京都府の和束町と宿泊施設の開業に向けて締結したパートナーシップ協定については、宿泊施設の場所やコンセプトを検討している旨を伝えた。このほど取得した栃木県那須郡那須町の「二期倶楽部」については、秋の定例会見で今後の予定などを報告するという。

 6月15日に「住宅宿泊事業法」が施行される民泊サービスについては「民泊の利用者は世界的に増加している。旅行者が日本に来た時に民泊施設がないと、日本の観光競争力が下がるのでは」と主張。あわせて「民泊事業の成長は、ホテル側がサービスを限定してきたことにも要因がある。ホテル業界が『サービスとは何か』を改めて見直す良いチャンスでは」とも話した。

 また、星野リゾートの管理物件もある軽井沢の別荘地で、非合法な民泊サービスが提供されている可能性について指摘し、対応を検討していることを伝えた上で「当面は事業として積極的に取り組もうとは考えていない」と語った。

▽都市型「OMO」は観光客に特化、新サービス発表

記者会見には「OMOレンジャー」も参加

 4月28日に1軒目を旭川で、5月9日に2軒目を東京の大塚で開業する「都市観光ホテル」の新ブランド「OMO」については、スタッフが周辺の飲食店や地元ならではのスポットなどをガイドするサービス「ご近所専隊『OMOレンジャー』」を開始することを発表した。星野氏は「OMOでは観光客のみをターゲットにし、ビジネス客を捨てるため、思い切ったサービスができる」と強調した。

 星野氏は「これまでホテルは館内消費を高めるためにご近所(の店舗など)と戦ってきたが、OMOではご近所と一緒になり、旅行者の満足度を維持したい」と強調。「他の日本の地方都市でも同じ取り組みを進めていきたい」と意欲を示した。「OMOレンジャー」は、宿泊者に提供する体験サービス「Go-KINJO(ゴーキンジョ)」の一環として提供するもので、各ホテルのスタッフ5名が散歩、はしご酒、グルメ、ナイトカルチャーなど5つのテーマで宿泊客を案内する。ホテル内には徒歩10分圏内のおすすめスポットを紹介する「ご近所マップ」を掲出する。

 星野氏によると、2軒の「OMO」の予約状況は「旭川グランドホテル」をリブランドした「星野リゾート OMO7 旭川」は前年並みで、新築ホテルの「星野リゾート OMO5 東京大塚」は「予定通りの稼働率」で推移する見通し。東京大塚は6月までは提供する客室を絞ってのソフトオープン。このほか、2022年に大阪の新今宮駅前で開業するホテルも「OMO」として運営する。星野氏は「現在は他の出店計画は動いていないが、実績を出して多くの投資家に興味を持ってもらいたい」と話した。

「YAGURA Room」のイメージ。中央奥が「やぐら寝台」

 この日の記者会見では「OMO」の客室についても紹介した。全237室の「星野リゾート OMO7 旭川」は、L字型にベッドを配した「DANRAN ROOM」をアピール。シングルルームを2名用に改装したものでベッドをソファー代わりに使うことも可能という。全125室の「星野リゾート OMO5 東京大塚」は、「やぐら寝台」で寝起きする定員3名の「YAGURA Room」を訴求した。

情報提供:Travel Vision