マレーシアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

外務省:海外安全情報

マレーシアの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)

「危険情報」とは?
2018年09月12日
 

 
周辺国危険度表示
 

 
 
東南アジア地図へ

 

 
【危険度】
●サバ州東側の島嶼部及び周辺海域並びに一部のサバ州東海岸(サンダカン,ラハ・ダトゥ,クナ及びセンポルナ周辺地域)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)
●サバ州東海岸のうち,レベル3発出以外の地域(タワウを含む)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

【ポイント】
●サバ州東海岸一帯の大部分及び周辺海域では,海賊事件,身代金目的の外国人誘拐等が続発しているほか,様々な武装勢力が活動を行っていることもあり,目的の如何を問わず渡航は止めてください。
●マレーシアにおいても,ISILをはじめとするテロに関する情勢は予断を許さない状況にあるため,テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努めてください。

1 概況
(1)テロ・誘拐等
ア 2016年6月にクアラルンプール市郊外プチョン地区のショッピングモール内の飲食店において手榴弾投てき事案が発生し,8人が負傷しました。マレーシア国家警察は,本件事件をISIL(イラクとレバントのイスラム国)関係者がマレーシア国内で敢行した初のテロ事件と発表し,実行犯を含む関係者全員を逮捕しました。
 2016年1月には,クアラルンプール市内でテロ攻撃を企図していたとして男性が逮捕されたほか,同年8月下旬にはテロ容疑に係る大規模な摘発で3人が逮捕されるとともに,けん銃と手榴弾が押収されています。2017年4月には,シリアで警察への攻撃を予告する「警告映像」をインターネット上に公開するなど,宣伝と勧誘活動を主導してきたマレーシア人ISIL戦闘員の死亡が確認されました。さらに同年10月には,クアラルンプール市内のショッピングモールで開催される予定であったビールの宣伝イベントに対するテロ攻撃を企図したとして3名が逮捕されるなど,その後も当地におけるテロ関係被疑者の逮捕は続いています。
2018年に入っても,4月下旬にはイスラム教以外の宗教の礼拝施設の襲撃等を企図した4名のうち2名が逮捕(残り2名は逃走)され,また同時期に,礼拝施設や遊興施設への火炎瓶攻撃を企図した17歳の少年が逮捕されたほか,第14回総選挙の投票日当日(5月9日)には,爆発物を搭載した車両で非ムスリムの有権者をはね殺す計画を立てた女性が逮捕されています。
 このように,マレーシアにおけるISIL等のテロに関する情勢は,依然として,予断を許さない状況にあり,摘発されたテロ攻撃計画の内容についても,日本人が巻き込まれかねないものが少なからずみられる状況にあります。

イ サバ州東側の島嶼部及び周辺海域においては,これまでにフィリピン南部を拠点とするイスラム過激派アブ・サヤフ・グループ(ASG)等による外国人誘拐事件が発生しています。最近では,海岸にあるレストランや島嶼部のリゾートに対する襲撃事件が発生したり,国際機関が同グループによる具体的な身代金誘拐計画に関する注意喚起を度々行うなど,現在も不穏な状況が続いています。
 このほか,2018年3月には,サバ州内の複数の場所を攻撃する計画を立てていたとして,ISILやASGと関係を有する爆弾の専門家とされる男が,国家警察に逮捕されています。
 ラハ・ダトゥ沖では,2016年7月にトロール船がASGとみられる武装集団に襲撃され,インドネシア人船長と船員計3人が拉致された(同9月に解放)ほか,同月18日には砂利運搬船に乗っていたマレーシア人船員5人が行方不明となる事案(2017年3月に全員保護,救出)も発生しました。

ウ マレーシア政府は,2016年以降,国家警察と軍による大規模商業施設や観光地などにおける合同パトロールや,クアラルンプール国際空港やKLセントラル駅などの交通の要衝における警戒警備強化など,テロ攻撃に対する各種対策を強力に進めています。
 しかし,ISIL等のイスラム過激派組織又はこれらの主張に影響を受けている者によるとみられるテロは世界各地で発生しています。また,外国人戦闘員(FTF)としてシリアやイラクに渡航し,その後,帰還している者も確認されているところ,今後,在留邦人や短期滞在者を問わず日本人及び日本権益がテロを含む様々な事件に巻き込まれる危険性は低いとは言えない状況です。
 
エ マレーシアは,タイ南部,フィリピン南部,インドネシア等イスラム過激派組織を抱える国・地域と隣接しており,今後,国際情勢の推移によっては,欧米などに対する感情が悪化し,マレーシアにある外国権益に対して悪影響が及ぶ可能性も排除されないことにも留意しておく必要があります。

オ このような状況に鑑みれば,マレーシアにおいては,テロの発生に十分注意する必要があり,具体的には,以下の点を心がけてください。
 ●テロ事件等不測の事態に巻き込まれることのないよう,最新の関連情報の入手に努める。
 ●テロの標的となりやすい場所を訪れる際には,周囲の状況に注意を払い,不審な状況を察知したら速やかにその場を離れる(デパートや市場,観光・リゾート施設,公共交通機関など不特定多数の人が集まる場所,欧米関連施設や宗教関連施設など)。
 ●政府・軍・警察関係施設には近づかない。
 ●爆弾事件や不測の事態が発生した場合の対応策を再点検し,状況に応じて適切な安全対策が講じられるよう心がける。
 ●在留地・滞在先等の近くで爆発や銃撃戦等が発生した場合は,直ちに安全な場所に避難するとともに,大使館等に状況等を連絡する。
 ●複数の爆弾が時間差で爆発することも想定されることから,爆発現場には近づかない。

(2)政治情勢
 東マレーシア(ボルネオ島)のサバ州南東部ラハ・ダトゥ地区では,2013年2月,「スールー王国軍(Royal Sulu Sultanate Army)」と称する武装勢力によるフィリピン側からの侵入事案が発生しました。これに対し,同年3月以降,マレーシア警察・軍による共同掃討作戦が実施され,同年6月末,作戦終了が宣言されました。   
 2017年6月,本事案に関与したとして逮捕されていたうちの9人の被告に対し,上訴裁が死刑判決を下し,2018年1月,最高裁において同死刑判決が確定しました。現時点では事態は沈静化していますが,スールー王国軍はサバの領有権を引き続き主張しており,今後も同種の事案発生が懸念されます。

2 地域別情勢
(1)サバ州東側の島嶼部及び周辺海域並びに一部のサバ州東海岸(サンダカン,ラハ・ダトゥ,クナ及びセンポルナ周辺地域)
 レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)(継続)

ア サバ州東側の島嶼部及び周辺海域
(ア)同地域では,隣国との密出入国,密輸が絶えず,武器の押収事案や海賊事件が数多く発生しています。2015年以降のマレーシア人及び外国人が被害に遭った誘拐事件の発生状況は,以下のとおりです。
(a)2015年5月,サバ州東部サンダカンの海岸レストランにおける誘拐事件(マレーシア人2名が誘拐。1名は同年11月解放,1名は殺害)
(b) 2016年4月,サバ州東部リギタン島におけるマレーシア人労働者4人の誘拐(同6月解放)
(c) 2016年7月,サバ州東部ラハ・ダトゥ付近海上におけるインドネシア人船員3人の誘拐(同9月解放)
(d) 2016年7月,サバ州東部海上におけるマレーシア人船員5人の誘拐(2017年3月,漂流中の2人を保護。同年3月,残りの3人を救出)
(e) 2016年8月,サバ州東部サンダカン沖におけるインドネシア人船員1人の誘拐(同9月解放)
(f) 2016年9月,サバ州東部センポルナ沖ポンポン島付近におけるフィリピン人船員3人の誘拐
(g) 2016年9月,サバ州東部センポルナ沖におけるマレーシア人船員1人の誘拐(同10月に身柄確保)
(h) 2016年11月,サバ州東部サンダカン沖におけるインドネシア人船員2人の誘拐(2018年1月解放)
(i) 2016年11月,サバ州東部ラハ・ダトゥ近海におけるインドネシア人船員2人の誘拐(2017年9月救出)
(イ)マレーシア当局は,海軍・警察・海上法令執行庁等による警戒を実施しているものの,約500キロメートルに及ぶ長い海岸線や50以上の島嶼全域にわたる警備にも限界があることから,同地域には依然として誘拐・テロの脅威の可能性があると指摘しています。これにより2014年7月以降,マレーシア当局はサバ州東側のサンダカン,キナバタンカン,ラハ・ダトゥ,センポルナ,タワウ各地域の沿岸から3海里の地点からフィリピン国境までの海域に対して夜間航行禁止令を発出しています。
(ウ)この海域に近接するフィリピン領域内での誘拐事件,ASGの活動等については,フィリピンの危険情報もご参照ください(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_013.html#ad-image-0 )。

イ 一部のサバ州東海岸(サンダカン,ラハ・ダトゥ,クナ及びセンポルナ周辺地域)
(ア)2013年2月12日,東マレーシア(ボルネオ島)のサバ州南東部ラハ・ダトゥ地区において,「スールー王国軍(Royal Sulu Sultanate Army)」と称する数百人規模の武装勢力によるフィリピン側からの侵入事案が発生しました。同年3月以降,マレーシア警察・軍は,軍用機,装甲戦闘車を投入した共同掃討作戦を行い,同年6月末に作戦終了が宣言されました。2017年6月には,マレーシアの上訴裁判所が首謀者ら9人に対し死刑を言い渡し,2018年1月に最高裁判所において同判決が確定しています。
 一方,ラハ・ダトゥ沖では,2016年中も付近を航行中の船舶がASGと思われる武装集団の襲撃を受け,乗組員が拉致される事件が2件発生しています。

(イ)上記地域では2012年から2015年にかけ,市農園等における労働者誘拐(サバ州南東部・2012年11月),武装勢力と警察の銃撃戦(センポルナ郊外・2013年3月),武装勢力と思料される侵入者の発見(クナ・2013年3月),海岸に位置する高級レストランでのASGとみられる武装集団による誘拐(サンダカン・2015年11月)が発生しました。2018年5月にも,ラハ・ダトゥ沖合で武装勢力と警察との間で銃撃戦が発生するなど厳しい情勢が続いているため,治安当局は引き続き厳重なパトロールを実施しています。
 
 つきましては,これらの地域(周辺海域を含む)においては,今後もテロや誘拐等が発生する危険性が高いため,どのような目的であれ渡航は止めてください。既に滞在中の方は,常に最新の治安情報の入手に努めるとともに,滞在期間は短期間にとどめ,身の回りや行動に細心の注意を払うようにしてください。

(2)サバ州東海岸のうち,上記(1)の地域(タワウを含む)
 レベル2:不要不急の渡航は止めてください。(継続)

 同地域においても,ラハ・ダトゥに上陸した武装勢力がマレーシア軍の攻撃を受け,各地に拡散・潜伏を図ったり,新たな武装勢力がフィリピン側から侵入する可能性があります。2018年2月には,タワウにおいて,武装勢力関係者と伝えられる者と警察との銃撃戦が発生し,3名が死亡しています。

 つきましては,これら地域においては,武装勢力の脅威がある点に留意し,不要不急の渡航は止めてください。その上でなお,渡航・滞在される場合には,日程・連絡先等を日本のご家族や現地の関係者に必ず伝えるとともに,在マレーシア日本国大使館等にも事前に連絡して,詳しい現地事情の収集に努め,十分な安全対策を講じてください。

3 渡航・滞在にあたっての注意事項
 マレーシアへの渡航・滞在における一般犯罪等に対する注意事項については,安全対策基礎データ(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_017.html )を併せて参照するほか,滞在中は下記の事項に十分留意して行動し,危険を避けるようにしてください。
 また,渡航に際しては,あらかじめ,日本国外務省,在マレーシア日本国大使館又は各総領事館,現地関係機関等から最新の情報を入手するよう努めるとともに,万一,事件・事故等に巻き込まれた場合には,在マレーシア日本国大使館や総領事館へご連絡ください。

(1)在留届,「たびレジ」
 海外渡航の際には万一に備え,家族や友人,職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は,在マレーシア日本国大使館又は各総領事館等が緊急時の連絡先を確認できるよう,必ず在留届を提出してください(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet )。
 3か月未満の旅行や出張などの際には,渡航先の最新安全情報や,緊急時の在インドネシア日本国大使館又は各総領事館等からの連絡を受け取ることができるよう,外務省海外安全情報配信サービス「たびレジ」に登録してください(https://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/)。

(2)薬物関連犯罪への注意
 マレーシアでは麻薬等違法薬物に対する規制が厳しく,違反した場合の法定刑は非常に重く,最高刑には死刑が規定されています。麻薬等違法薬物の使用や売買に関わったり,また知り合いであっても中身のわからないものを安易に預かったり,日本その他への運搬に手を貸すなどの違法行為に巻き込まれないよう,くれぐれも慎重に行動してください。

(3)注意すべき場所
 マレーシア国内には特段の旅行制限区域はありませんが,軍事関連施設や宗教施設の中には立ち入りを禁じている場所があります。宗教施設や公園又は地方を訪問する際には特に慎重に行動し,柵等が設けられている場所に無断で立ち入ったり,みだりに動植物を捕獲・採取しないよう注意してください。
 なお,写真撮影も,被写体となる施設あるいは人物(特に女性)によっては問題となることがあるため,事前に撮影の可否を確認する等注意してください。

(4)危険情報を発出しているサバ州東海岸及び東側の島嶼部及び周辺地域に既に滞在している方は,不測の事態に備え,退避手段・経路等について確認してください。

4 隣国のタイ,インドネシア及びフィリピンに対しても,別途それぞれ危険情報を発出していますので,併せてご留意ください。

(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(外務省代表)03-3580-3311(内線)2902,2903

(外務省関連課室連絡先)
○領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐関連を除く)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
○領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐関連)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3047
○海外安全ホームページ
  https://www.anzen.mofa.go.jp/ (PC版・スマートフォン版)
  http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbtop.html (モバイル版) 

(現地公館連絡先)
 ○在マレーシア日本国大使館
  住所:11, Persiaran Stonor, Off Jalan Tun Razak, 50450 Kuala
     Lumpur, Malaysia
  電話: (市外局番03) 2177-2600
   国外からは(国番号60)-3-2177-2600
  FAX : (市外局番03) 2143-1739
   国外からは(国番号60)-3-2143-1739
  ホームページ: http://www.my.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html 

 ○在ペナン日本国総領事館(管轄地域:ペナン州,ペルリス州,ケダ州,ペラ州,クランタン州及びトレンガヌ州)
  住所:Level 28, Menara BHL, 51,Jalan Sultan Ahmad Shah,
     10050 Penang, Malaysia
  電話: (市外局番04) 226-3030
   国外からは(国番号60)-4-226-3030
  FAX : (市外局番04) 226-1030
   国外からは(国番号60)-4-226-1030
  ホームページ: http://www.penang.my.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html 
 
 ○在コタキナバル領事事務所
  住所:No.18, Jalan Aru, Tanjung Aru, 88100 Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia
  電話: (市外局番088) 254-169
   国外からは(国番号60)-88-254-169
  FAX : (市外局番088) 236-632
   国外からは(国番号60)-88-236-632
  ホームページ:http://www.kotakinabalu.my.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html